アートメイクと脱毛は併用できる?眉毛・顔まわりの施術で知っておくべき注意点と安全ガイド
監修:【院長】西川 嘉一
アートメイクと医療脱毛は、どちらも美容医療で非常に人気のある施術ですが、併用する際にはいくつか注意点があります。
特に眉毛のアートメイク後に脱毛を行う場合、レーザーの熱や光が色素に影響を与え、退色・変色・炎症 を引き起こす可能性があります。
本記事では、アートメイクと脱毛の仕組みの違い、施術間隔、安全性のポイントまで、医療監修レベルで詳しく解説します。
アートメイクと脱毛の基本:作用の違いと肌・毛・色素への影響
アートメイク施術で使用する針と色素の定着原理
アートメイクは、専用の極細針を使用し、表皮〜真皮浅層(約0.02〜0.15mm)に色素を入れる施術 です。タトゥーより浅い層に留めることで自然な発色になり、時間の経過とともに徐々に薄くなる特徴があります。
色素が定着するプロセス
- 施術直後:皮膚が軽度の炎症を起こし赤みが出る
- 1週間前後:表皮の再生が進み、薄いかさぶたとなる
- 4〜6週間:真皮浅層で色素が安定し、最終色へ落ち着く
この 「4〜6週間の安定期間」 が、脱毛と併用する際の安全性に大きく関わります。
医療脱毛(レーザー・光脱毛)・ニードル脱毛が毛根に与える作用
医療脱毛では、レーザー光が毛のメラニンに反応し、熱を発生させて毛母細胞を破壊します。
代表的な脱毛方式
● レーザー脱毛(アレキサンドライト・ダイオード・ヤグ)
- メラニンに選択的に反応
- 深い毛根へ届く
- 眉周辺では色素にも反応する可能性がある
● 光脱毛(IPL)
- 散乱光のため照射範囲が広く、誤照射によるアートメイクへの影響が出やすい
● ニードル脱毛
- 毛穴に針を入れ電気で破壊
- 極めて精密な施術が必要で、眉付近は熱が色素に影響する可能性
眉のアートメイクと毛の残し方(デザイン・整える範囲)
アートメイク眉は、「どの毛を残すか」によって仕上がりが大きく変わります。
- 眉頭の毛は抜きすぎると不自然
- 眉山は骨格に合わせる
- 眉尻は毛が少ない人ほどアートメイクでの補正が重要
脱毛を先に行い、必要な毛まで永久的に失ってしまうとデザインの幅が狭くなり、修正が難しくなる ため注意が必要です。
アートメイク後、脱毛を受けられるタイミングは?推奨される期間と間隔
色素が安定するまでに必要な時間(4〜6週間)
アートメイク直後の皮膚は、治癒の途中で非常にデリケートです。
レーザーや光が加わると、以下のリスクが高まります:
- 色素が部分的に飛ぶ(退色)
- 黒・赤・グレーなどに変色
- 炎症や赤みが長引く
そのため、最低4週間、可能であれば6週間 の間隔を空けることが推奨されます。
眉まわりの照射はいつから可能?毛根への負担とリスク
眉周囲はレーザーの熱が眼に影響する可能性があるため、特に慎重な照射が必要です。
医療機関の一般的な方針
- 眉下(まぶた付近)は照射不可
- 眉上・眉間は6〜8週間以上経過していれば照射可能な場合がある
- 色素が新しいとレーザーが反応しやすく、退色や変色のリスクが高まる
眉脱毛はクリニック間で基準が異なるため、
必ず「アートメイク有り」と申告しましょう。
顔脱毛・全身脱毛の場合に注意すべき部位と範囲
顔脱毛ではレーザー光が散乱しやすく、アートメイクへの影響が出やすい部位があります。
推奨される距離
- 眉のアートメイク部分から1cm以上離す
- 額・こめかみは照射角度を調整する
全身脱毛では直接的な影響は少ないものの、施術時のジェルやタオルで眉を強くこすると刺激になることがあります。
脱毛照射がアートメイクに与える可能性のあるリスク
色素が薄くなる・変色する可能性
アートメイクに使用される色素の成分(酸化鉄など)はレーザー光に反応することがあり、
- 色が薄くなる
- 色味が変わる
- 一部だけ抜ける
といった現象が起こる可能性があります。
特に 施術後1〜2ヶ月は色素が安定していないため、変色リスクが高い期間 といえます。
熱ダメージによる皮膚刺激や炎症
レーザー脱毛とアートメイク直後の肌は、どちらも炎症が起きやすい状態です。
- 赤み
- かゆみ
- 腫れ
- ヒリつき
が出やすくなるため、施術間隔を十分に空けることが大切です。
施術部位の保護方法と安全に受けるためのポイント
脱毛時にアートメイクを保護するためには、以下が推奨されます:
- ワセリンで保護
- 冷却で炎症を抑える
- 照射角度を調整し色素に直接光が入らないようにする
- 眉上・眉間など近い部位は低出力で照射
施術者の経験が大きく影響するため、慣れているクリニックを選びましょう。
アートメイクの前に脱毛を受けるなら?最適なタイミングとおすすめの方法
眉毛のムダ毛処理(毛抜き・シェービング・ニードル脱毛)
アートメイク前に眉毛周りを整える際、毛抜きで抜くのは推奨されません。
理由:
- 毛抜きは毛周期を乱し、デザインが読みにくくなる
- 施術者が「どこに毛が生えているか」を判断しにくくなる
最も推奨されるのは シェービング(電気シェーバー) です。
ニードル脱毛は毛が永久的に失われるため、
必要な毛まで無くさないよう慎重に判断する必要があります。
施術デザインに影響する毛の残し方
アートメイクでは骨格に沿いながら、自然に見える仕上がりを目指します。
そのため、
- 眉頭の毛は残す
- 眉山は骨格のピーク位置に合わせる
- 眉尻は薄い部分を補正する
といった計画的な毛の残し方が重要です。
アートメイク前のカウンセリングで確認すべき点
施術前に、以下は必ず伝えましょう:
- 眉脱毛の有無・回数
- なりたいデザイン
- 毛量・毛流れの癖
- 過去の炎症・皮膚トラブル
- 他の美容施術歴(ピーリング・ハイフなど)
情報が多いほど、より正確で安全なデザイン計画が立てられます。
医療脱毛とアートメイクを併用するメリット・デメリット
仕上がりの美しさ・効果を最大化するポイント
脱毛とアートメイクを計画的に併用すると、
- 無駄な毛が整理され、眉の形が整う
- メイクが簡単になる
- 顔全体の印象がすっきりする
などのメリットがあります。
肌の状態・体質による注意点
肌が敏感な人、赤みが残りやすい人、ケロイド体質の人は、間隔を通常より長めに空けたり、医師と相談しながら進めることが重要です。
安心して施術を受けるためのクリニックの選び方
- アートメイクと脱毛の両方の知識を持つ施術者がいる
- 禁忌部位の基準が明確
- 眉まわりの照射経験が豊富
- カウンセリングでリスク説明がある
これらが揃っているクリニックが安全です。
眉・目まわりの脱毛を受ける際の安全チェックリスト
クリニックで相談すべき項目
- 眉下は照射不可かどうか
- 出力設定
- 色素への光の反応リスク
- 保護方法
照射方法の違い(レーザー/光/ニードル)と最適な選び方
- 広範囲ならレーザー
- デザインを細かく調整したいならニードル
- 色素への反応リスクを避けたいなら低出力・角度調整が必要
肌トラブルがある場合の対応と専門医への相談タイミング
以下が続く場合は医師へ相談しましょう:
- 48時間以上の赤み
- 強いヒリつき
- 色素の一部が消えた・変色した
- 皮膚の熱感が続く
まとめ:アートメイク×脱毛を安全に受けるためのポイント総整理
自分に最適な方法・間隔を知るためのカウンセリング活用
アートメイクと脱毛は併用できますが、
「タイミング」「距離」「出力」「肌状態」 の4つが安全性を左右します。
リスクを抑えながら美しい眉デザインを保つコツ
- アートメイク後は4〜6週間は脱毛を控える
- 眉下照射は不可、眉上・眉間は慎重に
- 必要な毛は抜かずに残す
- カウンセリングで施術歴を共有する
これらを押さえれば、美しく安全に併用することができます。
